冬のモエレ沼公園で思うこと
先日、モエレ沼公園に行ってきた。ガラスのピラミッドやモエレ山など、札幌を代表するシンボルが数多くあるモエレ沼公園だが、冬の訪れは初めてだった。
雪景色に包まれた公園は、夏の風景とは全く異なる、神秘的な美しさに満ちていた。広大な雪原に突如現れるテトラマウンドは、まるで宇宙船が雪に埋まったかのようなダイナミックな光景だ。この神秘的な風景を見ていると、ここがかつて埋め立て地で、足元には270万トンものごみが埋まっているとはとても信じがたい。
話は変わるが、年末年始に出たごみがようやく片付いた。定期的に捨てていると気付かないのだが、まとめてみるとその量に驚かされる。ほんの1~2週間でこれだけの量が出るのだ。1年間ではいったいどれほどの量を捨てているのだろう。
特に多かったのは、紙ごみとプラスチックごみだ。商品のパッケージがほとんどを占めている。私たちの仕事は広告業であり、商品のパッケージとは切っても切れない関係にある。商品を売るためにパッケージを作っている一方で、多くのゴミを生み出しているという矛盾を感じざるを得ない。
モエレ沼公園を設計したイサム・ノグチは、不燃ゴミの埋め立て地として利用されていたモエレ沼を見て、「人間が傷つけた土地をアートで再生する。それが僕の仕事です。」と言ったそうだ。
人間はゴミを生み出す生き物だが、それを綺麗にしたり、別のものとして再生させることもできる。イサム・ノグチのような大きなことはできないかもしれないが、少しでも未来のことを考えた仕事の仕方を模索していきたい。