流行語大賞ノミネートについていけない。

11月に入り、今年も残すところあと2か月となりました。年初に掲げた目標を振り返ると、達成できたこともあれば、改善の余地が見える施策もあります。広告の仕事は、季節の移ろいとともに街の空気を映し取り、生活者の気分に寄り添うこと。だからこそ、この時期は一年の締めくくりに向けて気持ちを整え、次の年への助走を始める大切なタイミングだと感じます。

先日、流行語大賞ノミネートが発表されました。正直に言えば、半分くらい「これは何の文脈?」と首をかしげました。意味を調べるうちに、SNS発の内輪的な盛り上がりが、瞬く間にマスへ広がる現象の速さを改めて痛感します。生活者の言葉は、テレビから生まれるだけでなく、配信、ゲーム、コミュニティ、時には一つの短いクリップから芽吹きます。私たち広告会社は、このスピード感そのものを前提に、企画やクリエイティブを設計しなければなりません。

一方で、トレンドの表層を追うだけでは、伝わるコミュニケーションはつくれません。大切なのは「なぜこの言葉が共感を集めたのか」という背景や心理を読み解くこと。そこには、世代や地域、生活ステージごとの“らしさ”があります。誰に、どんな状況で、どんな気持ちを動かしたいのか——目的が定まれば、流行語は単なる装飾ではなく、メッセージを届けるための効果的な導線に変わります。

ここで立ち返りたいのが「温故知新」という姿勢です。新しい表現や媒体に飛びつく前に、チラシの導線設計や店頭サインの視認性、新聞折込の到達率、はたまた地域イベントでの体験接点づくりなど、先人が積み上げてきた“効く型”があります。歴史あるフォーマットにも、今の文脈で磨き直せるポイントが必ずある。古いものを敬い、データと仮説で再編集することで、次の発想が生まれます。最新トレンド×普遍の型——この掛け算が、費用対効果とブランド資産の両立につながると信じています。

また、どれだけアイデアが豊かでも、現場を動かすのは“人”です。年末進行はスケジュールがタイトになり、撮影、入稿、イベント運営など体力勝負の場面も増えます。体調管理はチームの生産性に直結します。十分な睡眠、手洗い・うがいの徹底、オンとオフの切り替え、会議時間の最適化。基本を守ることが、品質を守るいちばんの近道です。関係各社のみなさまにも負荷が偏らないよう、前倒しの共有と段取りで“無理のない勝ちパターン”を組み立てていきます。

私たちは、日々の仕事とイベント運営を通じて、顧客の“今”のニーズにぴたりと合うお手伝いを続けます。短期の販促なら“即効性”、採用やブランディングなら“継続性”、地域貢献なら“共創性”。目的に応じて、最適なメディア配分とクリエイティブ、KPI設計をご提案します。小さな仮説→テスト→学びの積み重ねで成果を最大化し、来年につながる資産を残す——その覚悟で走り抜けます。

今年の残り2か月、流行の速さに惑わされず、しかし機会は逃さず。温故知新の目で基礎を磨き、健康第一で現場を整え、クライアントとともに“ちゃんと効く仕事”を積み上げていきます。来年のベースは、いまこの瞬間にしか仕込めません。ご一緒できる案件があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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