MM

自分がライフワークのように続けているMMシリーズですが、気づけば制作を始めてから約10年が経っていました。自分でもびっくりです。

モノクロ表現に憧れていた時期があり、しかもモノクロのグラフィックは評価が高いと感じていたので、自分もそういったグラフィックを模索してみたいと思ったのですが、モノクロ表現が自分の中に根付いておらず、勝手に焦りを感じていました。
いろいろと試行錯誤していたとき、ふと目に入ったのがフランスのおしゃれコンピ、MAISON KITSUNÉのジャケットでした。
これだ!と思いました。

そこから、モノクロでパンクロック系のミュージシャンを描いてみましたが、どうも面白くならず、次に挑戦したジェームス・ディーンに至っては、誰だかわからない仕上がりに。結局どちらも気に入らず、データも消してしまいました。ジェームス・ディーンに特別な思い入れがなかったことが原因だったのかもしれません。
それならばと、マリリン・モンローで試してみたところ、手応えを感じ、そこから今に至ります。

MMシリーズの初作品は、2015年に閉鎖してしまったギャラリーたぴおのグループ展告知ポスターでした。
今よりも線が細く、目を描かない代わりに鼻の穴があったりと、10年でずいぶん変わったなあと感じますが、わりと気に入っています。

2作目は、同じくギャラリーたぴおの最後のグループ展に参加したB1ポスターです。
アメリカンな雰囲気を出そうと試行錯誤した結果、青・白・赤のカラーでデザインすることにしました。しかし、思ったほどアメリカ的にはならず、どちらかというとフレンチっぽく仕上がりました…。
ただ、MMを始めるきっかけになったのがMAISON KITSUNÉのコンピだったことを思うと、自然な流れだったのかも、と、今となっては思います。

このトリコロールカラーのポスターは、札幌ADCコンペの審査員チョイス賞を受賞することができました。
正直、この賞は一生受賞できないと思っていたので、ものすごくうれしかったし、自分の転機にもなりました。
今でも家の玄関にこのポスターが居ます。

能登

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